第三回 マリアージュのべんきょう Chez Bon Appétit
吉祥寺ボナペティにて3回目の「マリアージュのべんきょう」を開催しました。
今回の参加者は前回と同じメンバー。
この会はコース料理をいただきながら、泡、白、赤のグラスワインをブラインドでテイスティングし、感じたことをディスカッションしながら各料理との相性や自分の好みなどをみつけてもらうというワークショップです。
今回からテーマを設定してオーナーソムリエの西沢さんにワインをご用意いただきました。
今回のテーマは「ロワール」。
ちょうどロワールのシェーブルチーズが旬を迎えていますねー。
Hors-d’oeuvre frais
冷製オードブル盛り合せ
(左上から時計回りに)
・有機野菜のエチュベ
・自然豚のジャンボンペルシエ
・うさぎのパテ・ド・カンパーニュ
・天然桜マスの軽いスモーク ディル風味
・万寿貝のポッシェ ラビゴット添え
一杯目のスパークリングワインと一緒にいただきましたが、一部白ワインにも残しておいて合わせてみました。
「うさぎのパテ・ド・カンパーニュ」と今回の白ワイン(後述)が非常に良く合いました。
Potage
Viande
大山鶏のソテー 伊予柑のソース
ぷりっぷりの大山鶏のソテーには、白ワインも赤ワインも両方楽しめました。
白ワインの完熟した柑橘や蜂蜜の香りと伊予柑のソースの風味がマッチし、鶏肉自体の旨みにフルーティーかつスパイシーな赤ワインの風味が非常に良く合いました。
Dessert et Cafe
クレームダンジュ
下記デザートかチーズから1品チョイス
・自家製アイスクリーム3種盛り合せ(バニラ、いちご、キャラメル)
・ピスタチオナッツのクレームブリュレ(小林養鶏自然卵使用)
・アマレット風味のボネ
・いちごのフォレノワール
・リュバーブのタルト フランボワーズソース(+200円)
・クレームダンジュ
・チーズ2種盛り合せ(シャウルス、エポワス、ロックフォール、シェーブル、コンテから2種チョイス)
今回のテーマのロワールにちなみ、デザートはロワール・アンジュ地方の郷土菓子「クレームダンジュ」にしました。
旬のいちごと一緒に、白ワイン、赤ワインともよく合いました。
甘夏の寒天寄せ コアントロー風味
サービスのデザートも今が旬の甘夏を使ったもの。食後の口直しにさっぱりといただけます。
ハーブティー
食後の飲み物は、コーヒー、紅茶、ハーブティーからチョイス。
私は月に一度はここの料理を食べたいと思い、この勉強会を企画しています。
食べ疲れしない、しみじみ本当に美味しい日本のフレンチです。
Les Vins de Loire
オーナーソムリエの西沢さんに「テーマもらえれば探しておくよー」とおっしゃっていただき、今月は「ロワール」でお願いして出していただいたのがこの3本。
ロワールのワイン自体、なかなか店頭で見かけることがないですが、バリエーション豊富でリーズナブルなものが多いので本当はもっともっと飲みたいワイン。
ボルドーワインが牛や鴨なら、ブルゴーニュは鶏、ロワールワインは野菜によく合うイメージで、日本の食事とよく合うと個人的に思っています。
2010 Bouvet Saphir Vintage Bouvet Ladubay
ソーミュールのブランドブランの辛口ヴィンテージスパークリングワイン。トラディショナル製法。
スパークリングワインのテイスティングは、
1.泡を見る(気泡が重要。細かい場合はトラディショナル製法)。
2.香りをかぐ(時間が経つと変化する)。
3.全体を見る。
色味による見分け方
グリーンがかった:5年以内でブランドブラン
イエロー:5〜8年
オレンジ:15〜20年もしくはロゼ
外観:グリーンがかった濃いめのイエロー、断続的な細かい泡
香り:青い蜜りんご、食パンのような酵母の香り
味わい:すっきりした豊かな酸、優しい果実味、心地よい泡
シュナンブラン、シャルドネ
2007 Clos de la Coulee de Serran Nicolas Joly
クレ・ド・セランはシトー派修道僧により12世紀に植えられた由緒ある畑。
南向きの急斜面、平均樹齢は40年以上、馬か人の手で耕している。
1962年からジョリー家が所有し、1976年、現当主のニコラ・ジョリーさんがワイン造りに参加。
ニコラ・ジョリーさんはビオディナミの第一人者。
大統領を輩出したフランスの最高学府である国立高等商業学院(ENA)を卒業後、コロンビア大学院でMBAを取得し、ウォ-ルストリ-トの超名門モルガン銀行で化学薬品工業への投資部門の責任者を務め、1976年に帰国。
1980年「美味しいワインである前に、その土地固有の繊細さを表現した本物のワインでなくてはならない」とビオディナミを導入。
1984年からはジョリー家所有の全ての畑でビオディナミを実践。
2001年、ビオディナミの団体「Return to Terroir」を創立し、原点回帰を提唱している。
自然酵母にて発酵、デブルバージュ、コラージュは行わず、古樽で数ヶ月熟成後、瓶詰め前にフィルター処理を極軽く行う。
外観:黄金がかった濃いイエロー、微発砲、粘性やや強い
香り:完熟グレープフルーツ、蜂蜜、バナナ、ナッツ、ビオ臭
味わい:アタック強い、豊かでまろやかな酸、後味に苦み、余韻長い
シュナンブラン100%
アルコール15.5%
2009 邦子 Domaine des Bois Lucas
2002年設立のドメーヌ・ボワ・ルカ。
日本人ワインメーカー新井順子さんによる無農薬農法で、6haの畑から10000本のみというワイン造りをしている。
外観:紫のニュアンスの残る、少しもやのかかったやや濃いめのルビー、粘性強い
香り:豊かな香り、カシス、レッドカラントなどの赤系果実、赤い花、薫製、バナナ、ペッパーステーキ、ビオ臭
味わい:豊かな果実味と酸、なめらかなタンニン、わずかな収れん性、後味に甘み
ガメイ100%
アルコール14.47%
SO2無添加
ガメイとは思えないエレガントなワインで、新井さん曰く本当はピノノワールでやりたかった造り方をされているとのこと。
新井さんが日本を経つ前にご自宅で開かれていたワイン教室に参加されていた方が今回のメンバーの中にいました。
ブログを拝見しましたら、今年日本でワインテイスティングのスクールを始められるそうで、「ちょっとだけ厳しいですが
もの凄くワインの試飲能力が確実に付きますので覚悟を決めてお出かけ下さい」って富永先生ばりのスパルタ教育なのでしょうか?ちょっと興味あります。
なぜかみんなの党から去年の参議院選に茨城選挙区に立候補されていて、無農薬のお米で「ありがとう」という名の日本酒を作りたいなど、とにかくいろんなことに興味を持ち、行動されている方なんですね。
DATA
Bouvet Ladubay
La Coulée de Serrant
Domaine des Bois Lucas
ワインの奥深さをべんきょうさせてもらっています
Bon Appetit
東京都武蔵野市吉祥寺南町2-8-8 M288ビル3階
0422-76-1363
JR吉祥寺駅南口から徒歩5分
営業時間
Dejeuner:11:30~14:00(LO)
Diner(平日):17:30~21:00(LO)
Diner(日祝):17:00~20:30(LO)
■月曜定休(月曜日が祭日の場合は営業、翌日代休)
次回の「マリアージュのべんきょう」は5月18日日曜日のお昼に行います。
次回テーマは「海外日本人ワインメーカー」です。
空席ありますのでご興味のある方は個人的にご連絡ください。
2014/04/29 山田にら | マリアージュのべんきょう
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