ラングドックのAOCワイン(白金台・八芳園)
フランス食品振興会(SOPEXA)主催の業界関係者向けのセミナーに行ってきました。
日本ソムリエ協会のHPには「ソムリエ、ワインアドバイザー向け」と書かれていましたが、SOPEXAのメルマガでは「業界関係者向け」とだけあったので「ワイン検定講師」で申し込みましたらOKでした。
日本ソムリエ協会の石田理事が講師をなさるということで、この日は1日お休みを取って11時からのセミナー、試飲会、16時からの料理とのマリアージュとフルで参加させていただきました。
石田理事は日本ソムリエ協会の機関誌「Sommlier」にて「テイスティングを鍛える」というコーナーを中本理事と担当され、私にとってはテイスティングの神と崇めるお方です。
セミナー
ワイングドックワイン委員会(CIVL)の輸出部長、クリスティーヌ・モリーヌさんによる、ラングドックのワインの歴史、新しく階層化したAOCについての説明、産地毎のテロワールについての説明の後、石田理事によるテイスティングが行われました。
テイスティングしたワインは以下の通り。
・N.V. Cremant de Limoux Blanc Brut Reserve Hecht & Bannier
・2013 Picpoul de Pinet Domaine de Lauriers
・2013 Languedoc Bio Rouge Hecht & Bannier
・2009 Chateau Saint Auriol Corbieres Rouge Les Domaines Auriol
・2011 Chemin Faisant Les Chemin de Carabote
・2010 Minervois la Liviniere Clos L’angely Domaine Piccinini
N.V. Cremant de Limoux Blanc Brut Reserve Hecht & Bannier
カルカッソンヌを中心とした海岸から50km内陸の西部地区では世界で最初のスパークリングワイン、ブランケット・ド・リムーが生まれました。大西洋の影響で雨が多く、より涼しい気候。カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、シャルドネ、シュナン・ブラン、ピノノワールなど北のぶどう品種を栽培しています。
外観:グリーンがかった中程度のイエロー、きめ細かい泡
香り:グレープフルーツ、青りんご、ジャスミン、白い花、ミネラル、石灰、白い貝殻
味わい:軽快なアタック、口当たり柔らか、ふくよかな酸、苦み、バランス良い、余韻長い
シャルドネ60%、シュナンブラン25%、モーザック15%
瓶内二次発酵、24ヶ月熟成、9g/L
小売価格:3,240円
シャルドネが骨格を作り、シュナンとモーザックが熟した果実感を加える。
きめの細かい泡立ちは24ヶ月熟成の賜物。
2013 Picpoul de Pinet Domaine de Lauriers
地中海に面した沿岸部のワイン。海の影響がワインにも強く現れ、スパイスやトロピカルな要素をもたらします。
ピクプール・ド・ピネはラングドック地方最大の白のAOCでピクプール100%。
外観:輝き透明感のあるグリーンがかった濃いめのイエロー、気泡、粘性豊
香り:蜜りんご、熟した洋梨、ライラック、白檀、貝殻
味わい:豊かなボリューム感、強いアタック、ふくよかな酸味、後半フローラルな印象、柔らかな後味
ピクプール100%
デブルバージュ、2ヶ月間シュール・リー後、瓶詰め
小売価格:1,944円
プラトー・ド・フリュイ・ド・メール、イカのセート風。
濃いめの色合いはぶどうの成熟度、柔らかな後味は沿岸部のワインの特徴。
2013 Languedoc Bio Rouge Hecht & Bannier
地方名AOCですが、サンシニアン、セヴェンヌ山脈側のぶどうをブレンド。
外観:ふちが紫がかったやや濃いガーネット
香り:熟したラズベリーやブルーベリー、甘草、ローリエ、ローズマリーなどのスパイス、黒オリーブ
味わい:凝縮感のある味わい、しっかり感じる酸とタンニン
シラー主体、グルナッシュ、カリニャン
コンクリートタンクで発酵。
小売価格:2,430円
家庭料理、ビストロ、レストランの前菜までOKな幅広さ。
2009 Chateau Saint Auriol Corbieres Rouge Les Domaines Auriol
地中海性気候の南部のワイン。AOCコルビエールは新しい階層においてはGrand Vinに属する。
外観:ふちがピンクがかったやや濃いガーネット
香り:つぶしたブルーベリー、甘草、クローブなどのやわらかいスパイス、燻製香
味わい:やわらかな口当たり、横に広がるふくよかなボディ
シラー40%、グルナッシュ40%、カリニャン20%
低温マセラシオン、40%フレンチオークの新樽熟成。
小売価格:2,376円
2002年〜の新しいドメーヌ。
ボリューム感があるのは南部の特徴。カスレと。
2011 Chemin Faisant Les Chemin de Carabote
内陸に位置するセヴェンヌ山脈側は昼夜の寒暖差があり、甘いスパイス、果実、トリュフなどの深みのあるニュアンスが特徴。
AOCテラス・デュ・ラルザックは新しい階層においては最上位のCruに属する。
外観:黒みがかった濃いガーネット、粘性強い
香り:凝縮感、カシス、ブルーベリーのリキュール、バニラ、クローヴ、ナツメグ、タイム、ラベンダー、ガリーグ(ラングドックの灌木)
味わい:洗練された味わい、なめらかてスムースな飲み口、クリーミー
シラー、グルナッシュ、カリニャン
18ヶ月樽熟成。
小売価格:3,240円
2010 Minervois la Liviniere Clos L’angely Domaine Piccinini
高い山が続く冷涼な気候、偏岩質土壌のモンターニュ・ノワール側のワイン。エレガントで黒や赤の果実、オリーブのニュアンスが感じられるのが特徴。
AOCテミネルボワ・ラ・リビニエールは新しい階層においては最上位のCruに属する。
外観:黒みがかったつやのある濃いガーネット、粘性強い
香り:さらに凝縮感、ブラックチェリー、黒オリーブ、黒い土、カカオ、海苔
味わい:酸、タンニンががっしり強い、余韻非常に長い
シラー70%、グルナッシュ15%、カリニャン15%(樹齢80年)
225Lのバリック、400Lのピエスで18ヶ月熟成。
小売価格:2,700円
バベットのグリエやローストなど、赤身肉と一緒に。
赤ワインは15℃で注ぎ、17〜18℃が飲み頃とのこと。
試飲会
セミナー終了後は16時から始まる「料理とのマリアージュ」までの間、試飲会。
以下、私が気に入ったワインです。
2012 Marie-Claude Blanc Chateau La Tour Boisee
2012 Marie-Claude Blanc Chateau La Tour Boisee
2012 Marielle et Frederique Domaine La Tour Boisee
2009 Marie-Claude Rouge Domaine La Tour Boisee
2009 Jardin Secret Domaine La Tour Boisee
N.V. Blanquette de Limoux & Cremant de Limoux Cave & Vignobles Salasar
2012 Figaro Blanc & 2013 Figaro Rouge Moulin de Gassac
2010 Terres Rouges & 2011 Cuvee Juliette Domaine de Gabelas
2011 Karrimour Damaine de Gabelas
セクシーなエチケットが印象的なDamaine de Gabelaの最上位キュベ。
乳首でちゃってますが味は美味しく、今回一番気に入ったワイン。
ムールヴェードル65%、カリニャン35%
2009 Les Coteaux Mas Belles Eaux
2011 Classique Blanc & 2010 Classique Rouge & 2011 Classique Rose Chateau D’angles
2013 Gassac Classic Blanc & 2012 Gassac Classic Rouge Daumas Gassac
2013 Fremillant Rose & 2012 Cuvee la Bastide & 2011 Cuvee Granaxa & 2010 Cuvee Orience Chateau Coupe Roses
2011 Pic-Saint-Loup Ellipse Zelige-Caravent
2011 Pic-Saint-Loup Velvet Zelige-Caravent
2011 Le Noir NO.1 Chateau La Baronne
PAULのプティパン5種
試飲会の合間にラングドックのワインとのマリアージュを試そうと思って、四ツ谷のPAULでオリーブ、チーズ、レザン、ノア、プレーンのプティパンを購入してきました。
やはりオリーブ、チーズ、レザンがよく合いました。
料理とのマリアージュ
料理とワインのマリアージュ
立食で料理が並んでいたような気がするのですが、どんなお料理が出てきたのか実はあまり覚えていません。
このときかなり出来上がっており、マリアージュを確認する余裕などありませんでした。
2011 Coteaux du Languedoc Terrasses du Larzac Domaine de Montcalmès
私はいつかラングドックに住んで、自分が飲む分のワインを作りながら人生を終えたいと常々思っているのですが、ラングドックのワインのナチュラルさ(あれだけ飲んだのに頭がちっとも痛くない)、美味しさ、楽しさを再確認したセミナーでした。
参考
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