【勝沼醸造】ワイナリーツアースタッフコース
5月の4連休初日、かねてより気になっていた勝沼のワイナリー、勝沼醸造さんのワイナリーツアーに参加してきました。
私の勝沼醸造さんとの出会いは、3年前の秋、青山のリーデルさんのテイスティングセミナーで、他の参加者の方がリーデルさんのグラスで飲みたいとお持ちになっていたワインをご相伴に預かったのが最初です。その時は甲州を飲む事自体が初めてで、ワインそのものよりもエチケットの素敵さが印象的でした。
自宅のある東小金井から勝沼ぶどう郷駅まで各駅停車で約1時間半。
東京の西の方に住んでいるおかげです。
勝沼ぶどう郷駅に降り立ち、目指す勝沼醸造さんまで30分ちょっとのジョギング。
途中、昨年夏に伺ったシャトー勝沼さんほか、マルサンさん、シャンモリさん、シャトレーゼさん、メルシャンさん、蒼龍さんとお名前だけは存じているワイナリーさんを横目に勝沼地区のワイナリーのメッカに来んだなと実感しました。
勝沼醸造さんの和モダン的なしつらえが、日本ならではのワイナリーっぽくて素敵。
至る所に美意識を感じます。
なぜかこの季節に赤い紅葉がありました。きっと美味しいワインを飲んで酔っぱらっているのですね。
13:30のツアー開始の40分も前に到着してしまった私。
テラスで気持ち良さそうにワインをテイスティングしている人々に触発され、ワイナリーツアーの前にその場でテイスティングコース(500円)を申し込んでしまいました。
3種類のステンレスタンク仕込みの甲州、樽仕込みの甲州、カベルネソーヴィニヨンとメルローのロゼ、マスカットベーリーAの赤と合計6種類をいただきました。
講師の有賀専務さんに「くれぐれも飲み過ぎないように」と釘をさされつつ。
ぶどう造り
勝沼醸造さんは甲州品種に特化したワイン造りで勝沼のワイン産業を盛り上げようと頑張っている造り手さんです。
日本人一人当たりのワイン消費量は年間2.5リットルで(私なら一週間の量?)、一番売れている価格帯は400〜800円で、世界一高コストの農業をしている日本においてはその価格帯で販売するのは不可能。
造り手の思い=ワインの価値、思いを伝えてくれる特約店にのみ卸すようにしているとのこと。
造り手の思いはぶどう作りにも現れています。
株式会社が農業をすることは法律で禁止されているので、近隣の跡継ぎがなく廃業したぶどう農家さんの畑を借りて、糖度の高いぶどうをどうすれば取れるか?を実験中。
その結果は農家さんにフィードバックして地域でより美味しいぶどうを作れるように努力されています。
写真は廃業したぶどう農家さんからそのまま借りた棚仕立ての古木の甲州。
棚仕立ては日本の風土にあった仕立て方法とのこと。
こちらは株仕立て。
「たとえ一樽でも最高のものを」をモットーに1株当りの芽を制限して全体的に糖度の高いぶどうを得ようとしています。
制限しすぎて一樽に満たない収穫量だったり(一樽以上ないと仕込みができないんだそうです)、小売り5,000円の商品に10,000円のコストをかけてしまうなんてこともあったようです。
樽への挑戦
スッキリした味わいが持ち味の甲州ワインですが、ステンレス発酵後凍らせて凝縮させると樽負けしない甲州になるということを発見して樽への挑戦が始まります。
2003年、フランス醸造技術者協会主催の国際ワインコンテスト「第9回ヴィナリーインターナショナル」にて「甲州特醸樽醗酵 1999」が銀賞を受賞したことをきっかけに世界のワインメーカーに認められます。
使用する樽はフレンチオーク。
樽の見方を教えていただきました。
T:原料であるオーク材の産地(Tはトロンセの森)
MT:樽の焼き加減(MTはMedium Toast)
テイスティング
別室に移動してのテイスティング。
普段はお茶室なのでしょう、畳のお部屋にテーブルと椅子を入れて、和の応接室で素敵です。
名前入りのランチョンマットにグラスが2つ。
代わる代わる色々なワインを少しづつ試飲させていただきました。
試飲したワインは以下の通り(★は別記事「ローストビーフほか×勝沼醸造の甲州(レストラン風)」にてテイスティングコメントを掲載)。
- アルガーノボシケ 2013
- 甲州山梨(穴吹市、甲州市の甲州を使用)
- アルガーノクラレーザ 2012★
- 藤井甲州シュールリー(藤井地区の甲州のみ使用)
- 勝沼甲州樽発酵 2012(ANAの国際線ファーストクラスに採用、2003年の国際コンテストで賞をもらったものと同じ製法、2年後ピッパとしてリリース)
- アルガブランカピッパ 2010★(こちらは2007~2008年、JALの国際線ファーストクラスに採用)
- アルガブランカイセハラ 2012★(伊勢原の単一畑の甲州のみ使用、生産量65000本)
MAGREZ-ARUGA KOSHU ISEHARA
グラーブの格付けシャトー、シャトー・パプ・クレマンのオーナー、ベルナール・マグレさんが見出し、ヨーロッパに3000本輸出しているワイン。オーパス・ワンのむこうを張って、ベルナールさんと有賀さんの横顔がエチケットになっています。
じつはこのワイン「アルガブランカイセハラ」なのだそう。
日本での価格は2,600円(税別)ですが、ワインサーチャーでは結構いいお値段で取引されています。
DATA
ワイナリーツアーはHPを要チェック♪
勝沼醸造株式会社
山梨県甲州市勝沼町下岩崎371
0553-44-0069
イセハラをどうしても飲みたい人ここをチェック♪
Bernard Magrez ‘Magrez-Aruga’ Koshu, Isehara, Japan
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