三澤彩奈さんを囲むグレースワインの夕べ（リストランテ　カシーナ　カナミッラ）

グレイスワインのメーカーズディナーに一度行きたいと思っていたのですが、なかなか伺うことができませんでした。

今回、グレイスワインのメルマガでこの会を知り、ワインのコーディネートがソムリエの森上久生さんということでどうしても行きたくて申し込んだらキャンセル待ちの3番目。あきらめかけていた開催の5日前に繰り上げの連絡が！キャンセルしてくださった方、ありがとうございます！

森上さんにどうしても会いたかったのは、昨年日本ソムリエ協会のベルジュラックのセミナーで「マリアージュを想像できないワインに価値を感じない」とおっしゃっていた言葉に共感したからです。モザイクのザビエルさんも「料理と一緒にワインを楽しまない人が日本人には多い」とおっしゃっていたし、私の周りにも確かに「別に料理と一緒じゃなくても楽しめるもん」という人もいる。

でもね、でもね、やはりワインの成り立ちを考えたら、料理と一緒にいただくのが本来の姿だと私は思うのです。
だから私は料理とワインのマリアージュにこだわっているんですよねー。

わかさぎとカダイフのフリットイカスミとトマト季節の野菜と共に　×　キュヴェ三澤　明野甲州　2012
土の感じのするワイン。フランボワーズ（森上さん曰く、甲州でフランボワーズを感じるのは勝沼醸造さんと三澤さんのみ）、白檀、ミネラル、生姜の香り。標高700mの北斗市明野町は火山性粘度質土壌で日本で一番日照が長い。大根が有名。ぶどうをなるべく凝縮させたいので垣根仕立てで栽培する。

にんにく、生姜、ミョウガ、コリアンダーとの相性が良い。刺身イノシン酸のある食材（カツオ）によく合う。甲州に刺身は合わない。唯一合うのは菱山の甲州のみ。適温12℃。

本当にフランボワーズを感じた甲州でした。

うさぎのラグーソースタリアテッレ　×　グレイス　カベルネフラン　2011
明野町産のカベルネフラン、プティヴェルドを使い、カベルネフランのシルキー感をこのままワインにしようと造った。造りはキュべ三澤と同じ。18ヶ月樽熟、398本のみ。

ベージュのシェフ、マルジョンさんは日本ワインを認めていなかったが、「2009（いい年）キュべ三澤バレルサンプルのカベルネフランだけ認めよう」と唯一認められる。確かに「ロワールのだよ」と出されたら分からないかも。

ソースにチョコレートとレバーを隠し味に入れたのは、試飲中にチョコレートがたまたまあったからだそうです。重すぎなくコクのあるソースに絶妙に合う非常に美味しいカベルネフラン。

ブレス産鴨胸肉のロースト　蜂蜜とフェンネルの香り×　グレイス　メルロ　2010
チリで挑戦的な作り方に触発されて造ったワイン。男性的なメルロー。通常清澄濾過をしていないが、少しだけ清澄した。新樽フレンチオーク100%。
90分前に14℃でデキャンタージュして今17℃に上がりちょうど適温。森上さんのプロの技が光るメルロでした。

野菜とフルーツモスカートのジュレオレンジと生姜のソルベ　×　ケルナー　レイトハーベスト　2010
余市の木村農場さんの25年古木のケルナーの遅摘み。パプリカとオレンジと生姜のスパイシーさとモスカートのジュレの微妙な甘さが絶妙にマリアージュ。

ヴィンテージの特徴

2011 冷夏
2012 いい年
2013 暑い40℃越、白ぶどう品種は収穫を前倒し。9月に台風が6回も来て。造り手によって差が出る。
2014 大雪3回、150cm積もり、大雪は未知の世界。棚、ハウスに被害出る。

グレイスワインは、現在9カ国に輸出。細くて可愛らしい容姿で「購入したお客様に絶対後悔させない」と力強くおっしゃっていた三澤さん。「夏に中央葡萄酒さんに伺った時、スタッフの方が今（三澤さんは）外国に行っています、とおっしゃっていました」とお聞きしたら、「その時はタスマニアにスパークリングワインの研修に行っていました」ととても勉強熱心な方です。