店主田村安が伝授！～料理とワインのマリアージュを極める～「薔薇色のワイン尽くしのマリアージュ」（MAVIE　赤坂店）

オーガニックワイン専門店MAVIEの田村社長によるマリアージュセミナー。今回キャンセル待ちでなんとか参加できることになりました。田村さんは、大手調味料メーカーで海外マーケティングを担当し、パリに駐在して星付きレストランに日本の調味料を売る仕事をされていたそうで、多い時では1日に★七つもの食事をされていたこともあるとか。
そんな田村さんが選んだワインと、最近「日本酒マリアージュ」という著書を出された料理研究家の稲垣知子さんの真剣勝負のマリアージュを味わってまいりました。

ここでの試食方法は、まずワインの味を確認し、料理を一口食べて飲みこんでから、ワインを一口飲んで、ワインの風味の変化を確認します。

1.紅白野菜のタルタル　うどの葉の天ぷら

オーストリアのいちごのニュアンスシャープな酸をもつチャーミングなロゼワインには二種類の野菜のタルタルを。ミニグラスに入った白いタルタルは、旬のうど、黄金柑、バルサミコ酢、塩、隠し味にいちごを少々加えたもの。ワインのもついちごのニュアンスによくマッチし、ワインの果実味がアップしました。バゲットにのっている赤いタルタルは、パプリカ、アプリコット、カイエンペッパー。アプリコットのもつ酸味と果実味がワインを引き締めていました。
うどの葉の天ぷらは米粉をころもに使って、おせんべいのようにカリカリといただけます。うどの苦みが旨味に変わる、素敵なマリアージュとなりました。

2.ずわいがにのブリック　酢みそのソース

ずわいがにのからで作ったソース、ベシャメル、かに肉、新玉ねぎを合わせた具を春巻きの皮で包んで揚げたもの。トッピングは松の実、酢みそのソースでいただきます。酢みそは白みそに卵黄を合わせた玉みそにワインビネガー、マスタードを加え、水でのばしたもの。マッシュ下じゃがいもにパルミジャーノをかけて焼いたものが添えてあります。
キレのある果実味豊かなプロヴァンスロゼと合わせることにより、酢みその酸がワインの輪郭をはっきりさせ、クリーミーな料理がワインの風味をよりアップさせる組み合わせでした。

3.鶏もも肉のソテー　フルーツのソース

シンプルな鶏もも肉のソテーを鶏肉のジュにワイン、ジャムを入れて塩で味を調えた2種類のフルーツソースで楽しむ一皿。
合わせたワインはコート・デュ・ルーションの辛口のロゼワイン。赤ワインが黒ワインと呼ばれる地域のロゼワインだけに味わいが力強い。鶏肉そのものが美味しいので、ここはシンプルに塩こしょうでいただきました。ベリーの風味もありながら、スパイシーなニュアンスもあるロゼワインに非常によく合いました。

マリアージュ

田村さんはマリアージュについて以下のようにおっしゃっていました。

1.1品1品ピンポイントで合わせる定番マリアージュは、フランスでは一つ星レストランの世界。2つ星以上のフランス料理はどんどん進化している。1つのワインも温度の変化で別の味わいをもたせることもできる。
2.美男美女のマリアージュは成立しない。
3.タンニンが強いもの、樽を使ったワインには、肉、特に牛脂、クリームソース。
4.ステンレスタンクを使ったワインには、野菜や魚など油を使わないもの。

また、田村さんも稲垣さんもしきりにおっしゃっていたのが、以下の2点。